ナポリの強さ

ミランホームでのミランナポリ

このときミランが5位、ナポリが3位

 

2016-2017シーズン、最も良いサッカーをしたチームはナポリだと思う。

そのサッカーを見ていきたい。

カジェホン、インシーニエ、メルテンスハムシクの前線の4枚の連携、ディフェンス時チームとしての連携、ポゼッションなどに注目。

 

ミラン先発

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ナポリ先発
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本田はベンチスタート
 
前半3分、ミランのボール回しの時に、ナポリの綺麗な2ラインがコンパクトにできているのが見られる。守備時には4ー4ー2になる。ハムシクメルテンスが前でボールを追いかけ、4枚の2ラインが入ってきたボールに対応。左右の揺さぶりには素早いスライドで対応。ここから例えばミラン左サイドに出ると、ヒュサイがボールに出てカジェホンが下がる。
 
この守備がただの撤退守備なら怖くないが、ボールを奪った瞬間に牙を剥く。前半5分、ナポリの見事なカウンターからの先制点。ディフェンスライン付近でボールを奪うと、同サイドのサイドラインへ流れるメルテンス。そこへ出たボールを少し前に流し、ダイレクトで逆サイドを走るインシーニエへ。トラップして左足で決めた。カウンターのお手本のようなプレー。奪ってからやることが明確。ナポリの場合は守備は攻撃のためのものだ。サイドに流れるメルテンスがダイレクトで逆サイドに出すところがポイント。走りの練習をフォワードに課すなら、こういうボールを受ける動きから、ダイレクトのパスなども織り交ぜると、より効果的に戦術練習と走る練習を組み合わせられるか。
 
前半8分、ナポリはトネッリが持つ。ミランはバシャリッチが寄せる。トネッリからアランへ出たところでフリーになる。本来アランはバシャリッチが見るところだが、ズレが生じている。アランはフリーで裏へ走るメルテンスへ浮き球のスルーパス。通ってメルテンスは右サイドから中央へドリブルを仕掛ける。このタイミングでドリブルの進路付近を裏へ抜けるカジェホンメルテンスは右アウトでスルーパスカジェホンは角度のないところからドンナルマのまたを抜いた。2ー0
前線で起点を作り飛び出す。中に詰める。トップスピードでの連携がナポリの前線の武器だ。
 
前半11分、前半5分と同じようにカウンター。奪ってハムシクメルテンスと素早くつなぎ、サイドのスペースにインシーニエを走らせる。中に飛び込むメルテンスには合わなかったが、素早くサイドのスペースを使いシンプルに中で決める狙いが見える。
 
前半15分、奪ったボールをハムシクメルテンスジョルジーニョがダイレクトでつなぐ。ダイレクトでつなぎながら飛び出す選手を使う。判断の速さがないと、この攻撃はできない。トレーニングからタッチ制限して前線へ走る選手を使う練習をしているだろう。
 
前半19分、これはもう必見の連携、左サイドのインシーニエから中のハムシクへ、ダイレクトでリターン、ダイレクトで後ろのジョルジーニョへ、ダイレクトでリターンを受け前を向くインシーニエ。ダイレクトでメルテンスへ、メルテンスがスルーして飛び出すアランへ、アランがかわしに行ったところで奪われたが、あと一本で決定機だった。ダイレクトの効果。それはディフェンスの判断が遅れて先手を撮れることだ。
 
前半23分、ハムシクのうまいキープ。右サイドでボールを受けると、相手が寄せてくる。一度相手に対して左足からお尻までをぶつけてボールに触らせないようにしてから、味方が動き直すのを待って出す。寄せてこられても、焦って離さずにキープ。
 
前半25分のメルテンスミランのソーサが左足で持つ。ボランチへのパスコースがあいているのでメルテンスはあえて動かずにコースをあける。ソーサはパスを判断。出すまでにメルテンスはサイドステップで細かく一歩でカットできる位置まで動く。そして出た瞬間に一歩で大きくコースに出てカットする。出なくても戻ればいい、出たらビッグチャンスになりうる位置で仕掛けるとよい。
 
前半35分のナポリのディフェンスライン。スソが右サイドから中へのカットイン。この時ナポリのディフェンスラインが少し上がる。そして綺麗に揃っている。パッカが裏を狙うも、この少しの上げでオフサイド。1から2メートルくらいの揃った上げで、オフサイドを取れる。なぜならフォワードはラインギリギリから飛び出すから。つまり、上げるのは少しで十分だが、要はディフェンスラインが揃っていることが大事。2列目に対応するため、パスが出たらラインを下げることも大切。
 
前半36分のミランナポリがトネッリ→ジョルジーニョとつないだところで、クツカが猛然と背後から寄せる。クツカはジョルジーニョにパスが出るまではゆっくり。出させてスピードを一気に上げる。ジョルジーニョ慌ててバックパス。これを狙うバシャリッチ。カットして前の勢いそのままに走りこむクツカへ。クツカはエリアに入り、ここでキーパーが触れずに自分が先に触れるギリギリの位置へ持ち出す。これで勝負あり。キーパーがコースを狭めてくるところを右アウトで流し込んだ。1ー2
ショートパスでディフェンスラインから繋いでくることを読まれて狙われると、即失点になる。出した後の1メートルのポジション修正が大事。
 
前半36分、クツカがふたたびジョルジーニョへ、今度はジョルジーニョがワンタッチでターンしてクツカのファウルを誘う。鬼寄せにはターンが有効。もう対応しているジョルジーニョ
 
前半42分のナポリのカウンター、パトリックからインシーニエへ、メルテンスがファーからニアへ斜めに裏を狙うところを、インシーニエは少し遅れてファーに走るカジェホンへ、全員がメルテンスに気を取られたところで少し遅れて空いたスペースに走りこむ。ボールが合えば折り返しか直接狙えるシーンだった。
 
前半44分もジョルジーニョ。スソが中央でドリブルを仕掛ける。クツカについていたジョルジーニョはクツカのマークを捨てて対応。クツカはジョルジーニョの背後からスソの左へ、ジョルジーニョはスソのドリブルのコースを切るようにステップし、クツカへのパスコースをあける。スソがアウトで出したところを足を出してカットした。パスコースを開けてパスを選択させて取るジョルジーニョの見事なプレー。
 
前半終了
 
後半7分、中盤で後ろからのボールをヘッドでつなぐハムシク。インシーニエのところで寄せられることがわかっていたのですぐ後ろのポジションを取り 、ダイレクトで受け直す。この細かいポジションどりがポゼッションを支える。
 
後半8分、メルテンスへの縦パスはカットされるも、ボールを追うメルテンス。そのため下げざるを得ないミラン。カットされてもスプリントして追うことで、相手の攻撃を遅らせる。
 
後半17分のナポリのイタリア代表インシーニエ。サイドでボールを受ける。受ける時はボールが来る方向ばかりを見ているが、しっかり前にスペースがあることは確認している。ファーストタッチの寸前までは後ろを向いているが、タッチの瞬間に爆発的に前へ出る。前へ行くぞのトラップではなく、ファーストタッチするまでは行かなそうなそぶりで相手をあざむく。
 
後半24分、ハムシクがドリブルでソーサを抜き中央をドリブル。駆け引きをするメルテンス。裏へ抜ける瞬間にパレッタはディフェンスラインを止めたが、アバーテが残っている。外にインシーニエがいたから中が見えなかった。外でラインを下げさせたインシーニエのおかげで、中でメルテンスオフサイドを回避。フリーで抜け出すもドンナルマの好セーブでとくてんならず。
 
 後半24分、ミランのボナベントゥーラが左サイドで持つ 。ヒュサイが対応している間にアランが戻りヒュサイはカバーに回る。相手のドリブルに数的優位を作って対応する。当たるのは前の選手。
 
後半26分、ナポリのコーナーでの守備。ゴールエリアに5枚、ペナルティーエリアに4枚を配置するゾーンディフェンス。ワンタッチで得点可能性のある位置を全て埋めている。
 
後半29分、ボールサイドにプレッシャーをかけるナポリ。ディフェンスラインはハーフウェイライン付近。ここでオフサイドを取る。
 
後半41分、エリア内のパレッタにメルテンス。右に出されると、インシーニエ。最前線からプレスがこの時間帯に行われている。
 
後半42分のインシーニエ。左ボールをキープ。相手が来たところを預けてスプリントしてリターンを受ける。次の位置でもらうために、出した後の動きが速い。
 
ナポリ2ー1の勝利
 
攻撃、守備の両方で、チームとしていかに動くかの約束事が決まっており、近くのポジションの選手とユニットで動くことが常に意識されている。その約束事の中で、ユニットの中で各選手がいかに動くかを考えている。だからこそ、相手に読まれずに味方同士で意図を共有でき、トップスピードでプレーできる。基本ベースは、ボール保持しているときはつないで動き直しながら、危険な位置を狙う。守備時には前から行く時と撤退する時を分け、いずれもうばってゴールまでを考えられている。グループで、チームでの約束事が状況ごとに決まっていて、それを連携して実行するサッカー。運動量と技術は必要だが、日々のトレーニングで状況を想定する練習の中で、連携しながら高めているのだろう。